NO. 652
坂名:豊坂、トヨ坂、トイ坂
住所:東京都あきる野市草花

今回は、あきる野市草花の豊坂について取り上げてみたいと思います。
場所はJR青梅線・福生駅から西に900mほどのところにある多摩川に架かる永田橋のすぐ西側にある坂道です。
だいぶ前にとりあげた折立坂【NO.342】からなら、南へ徒歩9分ほどのところですね。

[坂下あたりの様子]


豊坂【NO.652】1
写真1

まずは坂下あたりの様子です。(写真1)
立川青梅線沿いの坂道で、写真1背後に徒歩1分ほどのところに多摩川に架かる永田橋があるという立地具合でした。

坂道自体はまっすぐで、写真1左側の崖具合がすごかったですね。

[坂上あたりの様子と坂名の由来について]


豊坂【NO.652】2
写真2

一気に坂上あたりまできて坂下方向を見てみました。(写真2)
このあたりになると写真2左側の樹木がなくなり、景色が開けていて、多摩川も見えていましたね。

ちなみにここには坂名の由来が書かれているような坂の碑はありませんでしたが、秋川市地名考に記載があったので、いつものようように抜粋させていただくとですね、
『慈勝寺の前から福生市の永田橋方面に下る坂である。明治三十年(1897)代に、大規模な道路工事によって、河岸段丘がけずられて坂が作られたのである。深い所は3mも掘り下げられた。このため坂が樋のような格好になったので、トイ坂といわれた。それがトヨ坂となまり「豊坂」と書かれるようになったのではないかという。』
とありました。

「樋のような格好」というのは坂下のほうがそれっぽい雰囲気でしたね。
そして「深い所は3mも掘り下げられた」とあるので、元々は写真2でいえば、右側の崖上くらいからもうすこしゆるやかな傾斜(段丘)になっていたところにかつての道はあったのかもしれないですね。

あとは今昔マップで古地図も見てみると、掲載されている一番古い大正10年の地図にも「豊坂」という記載が地図上にありました。
そして、古地図を見た感じでは、写真2の右側に続く草花通りも古くからある道のようでしたね。

ということで、けっこう前の写真での紹介となりましたが、今回はこんな感じです。

地図:東京都あきる野市草花


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