NO. 487
坂名:かなしい坂
住所:東京都府中清水が丘

今回は、府中市のかなしい坂について取り上げてみたいと思います。
場所は、京王線・多磨霊園駅から南へ徒歩3分ほどのところにある坂道です。
前に取り上げた東郷寺坂【NO.486】とは坂下の東郷寺のところで合流しています。

かなしい坂【NO.487】1
写真1

まずは坂下あたりの様子です。(写真1)
この背後が東郷寺という立地具合ですね。
東郷寺については、東郷寺坂【NO.486】や「東郷寺の階段と山門」の記事ですでに紹介しているので、そちらを見てもらえればと思います。

坂道的には、ここからでもカーブ具合がわかりますけど、くねくねとした道が続く住宅街の中を通る坂道でした。

ちなみにここには、写真1中央右あたりにも見えているとおり、坂名の由来が書かれた石の標識とプレートがあり、そのまま抜粋させていただくとですね、
『この坂の由来は、玉川上水の工事と係わりがあるといわれています。玉川上水は、はじめ府中の八幡下から掘り起こし、滝神社の上から当方へ向かい多磨霊園駅の所を経て神代(じんだい)あたりまで掘削して導水しましたが、この坂あたりで地中に浸透してしまったといわれます。責任を問われて処刑された役人が「かなしい」と歎いたことからこの名があるといわれます。 この時の堀は、今も「むだ堀」「新堀」「空堀」の撫で残っています。 』
とありました。

玉川上水って、府中よりかなり北の中央線よりさらに北に位置するあれですよね。
川関係は詳しくないので、なぜここで場所的に離れている玉川上水がでてくるのかちと勉強不足でわからないですが(詳しいかたにおまかせします。「むだ堀」の場所の特定もあわせて)、とにかく昔は土木工事に失敗すると責任者は処刑されていたとは驚きですね。
やはり土木・建設工事は昔から責任重大な仕事だったんだよなあと、あらためて思うなど。
なお「地中に浸透してしまった」とあるのは、導水していた水がこの坂あたりで地中に浸透してしまい工事は失敗に終わったということですね。

かなしい坂【NO.487】2
写真2

石の標識とプレートに加えて、写真1の背後には木碑までありました。(写真2)
なかなか珍しいパタンかもですね。
ただし、こちらは「かなしい坂」と書かれているだけで、坂名の由来などは書いてないのですけどね。

かなしい坂【NO.487】3
写真3

一気に坂上あたりまでやってきて、坂下方向を見てみました。(写真3)
傾斜があるのはこのあたりまでで、これより坂上はほぼ平坦でしたね。
あとは、左側に「10%」という標識があるとおり、見た目よりも傾斜はきついようでした。

ということで、けっこう前の写真での紹介となりましたが、今回はこんな感じです。

地図
東京都府中清水が丘

関連リンク:  
→   東郷寺坂【NO.486】/府中市小柳町+ 清水が丘 - 東京坂道さんぽ
→   東郷寺の階段と山門 /府中市清水が丘  /黒澤明監督の名作のモデル - 東京坂道さんぽ