今回は、文京区の建部坂について取り上げてみたいと思います。
場所は、前回取り上げた油坂（ NO.404）から西へ徒歩3分で、お茶の水坂（NO.320）の坂上あたりから北に上っている坂道とも言えます。
最寄り駅でいえば、JR水道橋駅から東へ徒歩4分ほどのところにあります。

建部坂（ NO.405）1+
写真1

まずは坂下あたりの様子など。 （写真1）
坂下あたりが一番傾斜がありましたね。

この背後が外堀通りでありお茶の水坂（NO.320）という立地具合ですね。
坂道のけっこうな部分で隣接している文京区立元町公園の樹木が坂道風景を独特な感じにしていましたね。

建部坂（ NO.405）2+
写真2

中腹あたりから坂下方向を見てみたものです。 （写真2）
元町公園の樹木とともに、坂下むこうには神田川が流れているので、こちらも坂道風景的にひと味違った印象がありましたね。

また写真2の右側にも見えていますけど、ここには坂名の由来が書かれている案内板があったので、そのまま抜粋するとですね、
『『新撰東京名所図会』に「富士見坂の北（注・西） にある坂を建部坂といふ。幕士建部氏の邸地あり因て此名に呼び做せり」とある。嘉永3年（1850）の『江戸切絵図」で近江屋板を見ると、建部坂の上り口西側一帯（現在の元町公園）に建部氏の屋敷が見える。直参、千四百石で、八百八十坪（約2900�屐砲任△辰拭�
「御府内備考」に次のような記事がある。建部六右衛門様御屋舗は、河岸通りまであり、河岸の方はがけになっている。がけ上は庭で土地が高く、見晴らしが良い。がけ一帯にやぶが
茂り、年々鶯の初音早く、年によっては十二月の内でも鳴くので、自然と初音の森といわれるようになった。明和9年(1772) 丸山菊坂より出火の節、やぶが焼けてしまったが、今でも初音の森といっている。初音の森の近くで、一名初音坂ともいわれた。 』
とありました。
元町公園の場所にあった建部氏の屋敷が名前の由来みたいですね。
そしてうぐいすの鳴き声が聴こえる坂道、いいですね。

ちなみに、別名の初音坂についての説明の中で「自然と初音の森といわれるようになった。」とありますが、江戸東京坂道事典では、このあたりに竹藪があってうぐいすが鳴くので、将軍綱吉公が通過のさい「初音の藪とよべ」と命名されたとある、と書いていて、初音の森の名前の由来については諸説あるようですね。

建部坂（ NO.405）3+
写真3

最後は、坂上あたりから、坂下方向を見てみました。
このあたりは雑居ビルにが建ち並ぶ、ある意味、らしい風景といった感じでしたね。

ということで、けっこう前の写真での紹介となりましたが、今回はこんな感じです。

地図
文京区本郷

関連リンク：
→　油坂（ NO.404）/　文京区本郷 - 東京坂道さんぽ
→　お茶の水坂（NO.320） /文京区本郷 - 東京坂道さんぽ