今回は、文京区の薬罐(やかん)坂について取り上げてみたいと思います。
場所は、横町坂( NO.401)の坂下から北へ徒歩2分ほどのところにあり、最寄り駅でいえば、東京メトロ有楽町線・江戸川橋駅から北東へ徒歩7分ほどのところにあります。

薬罐坂( NO.432)1+
写真1

まずは坂下あたりの様子でも。
ここも昔ながらの坂道らしく途中でくねくねと曲がる坂で坂上あたりはここからは見えませんでした。
右側の高い擁壁の上にはれんげ山霊園があり、要は墓地になっていましたね。

薬罐坂( NO.432)2+
写真2

坂道の中腹あたりから坂上方向を見てみたものです。
中央左にある大木が印象的でしたね。

ちなみにここには、坂名の由来が書かれてあるような坂の碑はありませんでしたが、江戸東京坂道事典に記載があり、一部抜粋させていただくとですね、
『漠学者流にいうと野狐のことを野紆といったので、それが薬罐の字に転じたものといわれ、要するに野狐が出没して人をたぶらかすような物さびしい坂が薬罐坂とよばれたものである。 』
とありました。
野狐とは、野生のキツネのことですけど、ここでは人間を化かしたりする妖怪としての狐の意味合いも含まれているようですね。

薬罐坂( NO.432)3+
写真3

坂上あたりから坂下方向を見てみたものです。
なんとも独特な坂道風景だったかもです。

薬罐坂( NO.432)4+
写真4

なお写真3の大樹の手前右側には生西寺も隣接していました。
写真4は、入り口からも本堂が見えたのでぱちりと。
階段と屋根の形が印象的なつくりでしたね。

ちなみに江戸時代の古地図(切絵図)にも「ヤカンサカ」と記載があり、生西寺の記載もあるんですけど、古地図にある生西寺とヤカンサカの位置関係が、今の薬罐坂と言われている場所とすこし違うんですよね。
なので、そういうところも含めて坂の碑がないのかもしれないので、またそこのところは再調査も必要かもですね。

ということで、けっこう前の写真での紹介となりましたが、今回はこんな感じです。

地図
文京区小日向

関連リンク:
→ 横町坂( NO.401)/文京区小日向 - 東京坂道さんぽ