今回は、板橋区の地蔵坂について取り上げてみたいと思います。
場所は、前回取り上げた すて場坂( NO.395)の坂下から東へすぐの場所にあり、すて場坂( NO.395)と同じく大谷口通り(旧大谷道)と名付けられた道沿いにある坂道です。
最寄り駅いえば、東京メトロ小竹向原駅から北東に徒歩10分ほどのところですね。

地蔵坂( NO.396)1+
写真1

まずは坂下あたりの様子でも。 (写真1)
このあたりは坂道沿いにスーパーや商店などが立ち並んでいて、にぎやかな雰囲気でしたね。

地蔵坂( NO.396)2+
写真2

坂道の中腹あたりまできて、坂下方向を見てみました。(写真2)
このあたりからは住宅街になりました。
坂下からの高低差もけっこうある感じでしたね。

地蔵坂( NO.396)3+
写真3

坂上あたりまできて、坂下方向を見てみたものです。 (写真3)
このカーブ具合は、やはり大谷口通り(旧大谷道)という古い道ということで、それっぽい感じがしましたね。

ちなみに、ここには坂名の由来が書かれてあるような坂の牌はなかったのですが、(このブログもリンクしてくれている)「東京23区の坂道」さんのサイトで、この坂道の名前の由来についてふれていて、それによるといたばしまち博友の会発行の『郷土 板橋の坂道』にて記載があるようで、そのまま抜粋させてもらうとですね、
『坂の途中に地蔵堂があったのでこの坂を地蔵坂という。この地蔵は「しろかき地蔵」と呼ばれ、『いたばしの昔ばなし』に出てくる。今は坂上の西光寺に移されている。日頃から仏様を深く信仰していた心やさしいお百姓がいて、明日は村中あげて田植えだというのに、代かきが半分も出来ていない。これを見兼ねてお地蔵さんが一晩のうちに代をかいてくれたという話である。』
とありました。
まさにファンタジー。
なんだか、まんが日本昔ばなし(若い人はわかるかな?)にでてくるような話ですね。

なお西光寺は今もあって、写真3の背後にあります。
また板橋区のHPにも地蔵坂の記載があり、『西光寺の北を通る大谷道の坂は「地蔵坂」と呼ばれ、えんが堀にかかる橋は「地蔵橋」と呼ばれていました。地蔵は、当初地蔵坂の途中、氷川神社西側の斜面に祀られていましたが、戦前に当寺に移されました。 』とありました。

地蔵坂( NO.396)4 +
写真4

写真3のすぐ右側には庚申塔がありました。 (写真4)

庚申塔とは?という方に、(というか僕自身も)復習がてらに区は違いますけど、目黒区のHPに「庚申塔(こうしんとう)って何」というページがあり、わかりやすかったので、そのまま抜粋しておきますね。
『寿命を縮めないために 江戸時代に大流行した民間信仰:旧暦では60日に1度、庚申(かのえさる)の日が巡ってきますが、この夜眠ってしまうと人の体内にすんでいる三し(さんし)という虫が天に昇り、天帝にその人の日ごろの行いを報告するという道教の教えがあり、罪状によっては寿命が縮まると言われていました。寿命が縮まっては大変。この日は身を慎み、虫が抜け出せないようにと徹夜して過ごしました。日本では既に10世紀ごろには盛んだったようで、「枕草子」、「大鏡」などに記述があります。この教えが広まっていく中で仏教や庶民の信仰が加わり、江戸時代には全国の農村などで大流行しました。
身を慎むことから始まりましたが、徐々に米や野菜、お金を持ち寄り、皆で飲食・歓談して過ごす楽しい集まりになっていきました。また、さまざまな情報を交換し、農作業の知識や技術を研究する場でもありました。この集会を3年18回続けた記念に建立したのが庚申塔です。長寿や健康のみならず、家内安全や五穀豊じょう、現世や来世のことなどを祈り、それを碑面に刻みました。
病魔・病鬼を払い除くといわれる青面(しょうめん)金剛像や謹慎の態度を表すという三猿を彫ったものをよく見かけますが、文字だけを刻んだものや観音様やお地蔵様の姿のもの、さらには道しるべの標石を兼ねているものもあります。建造した年号・建立者の名前などが刻まれていて村の歴史やその土地の信仰、人々の生活、集落形成の様子などを知る貴重な資料となっています。(略)』
とありました。

なるほど。

ちなみにというか好奇心でBing AIに庚申塔とは?と聞いてみると、以下のような回答がありましたね。
『庚申塔は、中国から伝わった道教の庚申信仰に基づいて建てられた石塔です。庚申信仰とは、人間の体内に住むとされる三尸(さんし)という虫が、庚申の日に体外に出て天帝に人間の罪を報告するという考え方です。庚申塔には、三尸を見張るための三猿が彫られていることが多く、見ざる聞かざる言わざるの意味があります。庚申塔は、豊作や厄除けなどの祈願や記念に建立されることが多いです。』
気になる方は、上記の説明と比べてみてくださいね。

ということで、けっこう前の写真での紹介となりましたが、今回はこんな感じです。

地図
板橋区大谷口+ 大谷口上町

関連リンク:
→ 西光寺のご案内|板橋区公式ホームページ 
→ すて場坂( NO.395)/板橋区小茂根 - 東京坂道さんぽ
→ 庚申塔(こうしんとう)って何:目黒区公式ホームページ