今回は町田市の田苗(たなえ)坂を取り上げてみたいと思います。
場所は、前に取り上げた長津田検車区(記事名=「長津田検車区に架かる陸橋と坂道(とある街の風景351)」)のすぐ北側にあり、最寄り駅でいえば、東急田園都市線・つくし野駅から北へ徒歩10分ほどのところにある坂道です。

田苗坂(NO.385)1+
写真1

坂上あたりの様子です。
両側が邸宅といえる大きな家の庭の樹木が隣接していて、なんとものどかな雰囲気でしたね。

田苗坂(NO.385)2+
写真2

すこし下って、坂上方向を見てみたものです。
ここからだと勾配具合もわかりやすく、地面もドーナツ型のすべり留め舗装になっているとおり、けっこうな傾斜具合でしたね。

田苗坂(NO.385)3+
写真3

写真2とそれほど変わらない位置より坂下方向を見てみました。
このあたりからはわかりやすい住宅地になっていて、遠くに見える山並みも印象的でしたね。

またこのすぐ右側には、坂名の由来が書かれた案内板があり、長いのでそのまま抜粋させていただくとですね、
『坂の中ほどに、どんな日照りの時でも常に清水が湧き出る溜池がありました。村人はこの溜池に苗床作りの間、籾を浸しておき時期を見計らって苗床に籾を蒔きました。
灌漑が(水利の便)今日ほど行き届いていない頃、苗取りをしても其の日のうちに田植えが出来ないこともしばしばありました。しかし不思議なことにこの溜池に苗を浸しておくと、何日たっても苗が痛むことが無く、安心して田植えの出来る時期を待つことが出来るので、村人達から非常に有難られた溜池でありました。
田の苗を浸しておく溜池がある坂道と言うので、何時とはなしに田苗の坂、「田苗坂」と呼ぶようになりました。
昭和34年(1959)改修が行われ「田苗の溜池」は無くなってしまいまいましたが、「田苗坂改修記念碑」が坂の途中に建てられています。
(略) 』
とありました。
なるほど、昔はこのあたりに清水が湧き出る溜池があったんですね。
そして、そこが田の苗を浸しておく溜池だから、田苗ですか。

田苗坂(NO.385)4+
写真4

さらに下り、坂上方向を見てみました。
ここまできてもドーナツ型のすべり留め舗装のままでしたね。
あと、写真3では写っていなかった坂の案内看板と田苗坂改修記念碑が坂上にちらりと見えていますよね。

田苗坂(NO.385)5+
写真5

最後は坂下あたりから坂上方向を見てみたものです。
こうしてみると、けっこうくねくねと曲がっている坂道だったんですね。

ということで、けっこう前の写真での紹介となりましたが、今回はこんな感じです。

地図
町田市南成瀬

関連リンク:
→ 長津田検車区に架かる陸橋と坂道(とある街の風景351)/ 町田市南成瀬 - 東京坂道さんぽ