さる坂と呼ぶそうです。
前に取り上げた大久保坂(NO.365) の途中から南に徒歩2分ほどいくと、猿坂の坂上あたりにやってきます。

猿坂(NO.366)1+
写真1

まずは坂上あたりからの様子など。(写真1)
日没直後ということもあり写真ではだいぶ暗く見えていますけど、現地ではそれほど暗いという感じではなかったので、調査を続行してみました。
坂の形状は、渋い感じでカーブしながら、下っていくという感じでしたね。

ちなみに、写真1でもちらりと見えているとおり、ここにも坂名の由来が書かれた坂の碑があり、
『「新編武蔵風土稿」の林昌寺の項に「境内墓所の側に坂あり、猿坂と呼、昔、山林茂りて猿多く往せし故是名あり」と記されている。おそらく、古くから知られた坂道であろう。』
とありました。
これでもなんとなく、わかりそうですけど、大田区のHPにも坂名の由来に関する説明があって、そちらのほうも抜粋するとですね、『昔、子安八幡神社、林昌寺(仲池上一丁目14番)からこの猿坂にかけての台地は森林が続き、猿が多く生息していたともいわれ、坂名はそれにちなむものなのでしょう。』とありました。
まさにあの猿が坂名の由来だったんですね。

あと、説明には、”子安八幡神社”とでていますけど、子安八幡神社についてはだいぶ前にみちくさ学会の記事のためにこの近くを取材したときに一緒に回っていてブログでも取り上げていたりします。(ブログ記事=「子安八幡神社の急階段 /大田区仲池上」)
子安八幡神社は猿坂からだと南に徒歩5分くらいの場所にあるので、、猿が多く生息していたといわれる森はけっこう大きかったみたいですね。

猿坂(NO.366)2
写真2

さらに坂を下り、中腹あたりから坂下方向をみたものです。(写真2)
この写真ではちょっとわかりにくいですけど、なんとここから富士山が見えていたんですよ。
いちおう、今回はここを狙って調査していたので(とはいっても今のところこの坂道から富士山が見えるなんてことを書いている坂道マニアはいないので独自調査です)、なんとか富士山がみえてひと安心でしたよ。

猿坂(NO.366)3
写真3

写真2ではわかりにくいので、望遠レンズで富士山を撮ったものなど。(写真3)
写真3中央右上あたりに、雲がすこし覆ってますけど、富士山見えてますよね。

猿坂(NO.366)4
写真4

最後は、一気に坂下あたりまできて、坂上方向を見てみたものです。(写真4)
日が沈むとあたりはあっというまに暗くなってしまいましたが、暗いのはこの一枚だけですので、ご勘弁を。(^^)

なお写真4の左側には祠が見えていますけど、こちらは「猿坂の祠」というそうです。
そして、この背後には「林昌寺の墓地」もあって、お墓がたくさんありました。
ちなみに、この墓地は江戸時代から林昌寺の墓所としてあったという説もあり、調べたところでは、猿坂のことも記録している「新編武蔵風土稿」は1830年に成立したとのことなので、少なくともこの坂道はそれ以前の江戸時代からあったという説が有力で、そういう意味では古い坂道のようですね。

ということで、実はこの日は、だいぶ前に訪れて記事にもした相生坂(NO.79)がここから南にすぐの場所にあり、この坂道からも富士山が見えるかどうかも調べたかったんですけど、ここまで暗くなってしまったので、この日の調査はタイムオーバーとなってしまったというぷち話も最後に織り交ぜつつ、今回はこんな感じです。

地図
大田区上池台

関連リンク:
→ 大田区ホームページ:猿坂
→ 大久保坂(NO.365) /大田区上池台 - 東京坂道さんぽ
→ 子安八幡神社の急階段 - 東京坂道さんぽ
→ 子安八幡神社のスロープ /大田区仲池上 - 東京坂道さんぽ
→ 相生坂(NO.79)/大田区仲池上   /みちくさ学会の坂道記事掲載されてまーす。 - 東京坂道さんぽ