6月27日に放送された、美の壺・選の「心をいざなう 階段」の回で安藤忠雄さん設計の直島のベネッセハウス・ミュージアムの階段がでてきたので、今回は特別にずいぶん前に現地で撮った古い写真をまじえて取り上げておこうかなと思います。

ベネッセハウス・ミュージアムの階段1
写真1

なんとか現地でも撮っていました。(写真1)
ほぼ20年前の写真ですが。
ただ番組で流れていた階段とほぼ変わっていないようでしたね。

番組で安藤忠雄さんはこの階段を「夢のある階段」と言っておられたと思います。
しかもこの階段を安藤さんが降りていく映像も流れていたので、現地でわざわざロケもしたようですね。
とにかく安藤さんの階段話が聞けてよかったです。

ちなみに、その階段話のなかで、今回の直島の階段についてもご本人が語ってたのでメモしておきました。

『夢のある階段をつくりたい。』
『この階段を上ると「どうして突き当りがあるの?」「もうやめようか」と思うくらいの階段なんですね。』
『そこから(壁を)破って行く力は、歩いて行く階段を上って行く人の力なんです。』
『自分で切り開いていかないといけない。』

という具合に、安藤さんは「ふつう階段は機能的なもの」と前置きをした上で、今回の直島の階段についてのキーワードを語っておられました。

なるほど。

ベネッセハウス・ミュージアムの階段2
写真2

階段上部というか天井部分はこんな感じで天窓になっていました。(写真2)
時間によって入ってくる自然光の雰囲気が違ってくるよう設計されているそうです。

ちなみに番組では、この天窓と階段のことを「時間とともに変化する太陽の光は命を表している」「この空間が希望をはぐくむ場所であることを表現している」と解説していましたね。

なるほどなるほど。

あと番組では、安藤さんの考える階段論も話されていましたね。
これも貴重なので抜粋しておくとですね、
『おもしろい階段とは、心に働きかける階段。
 階段というのは未知の世界に行くもの。
 夢のある人はどんどんと夢を追いかけていくし、ない人は止まってしまう。
 そういうやつ(階段)は大体、勝手が悪く、使いにくい。
 しかし自分の心の中にしっかり残るから、そういう階段を作りたい。
 ここでも(直島の階段のことみたいです)そうですが、夢は自分でゲットしろと。』

なるほどなるほどなるほど。
勉強になります。

ベネッセハウス・ミュージアムの階段3
写真3

最後はゼミ旅行当時、写真を撮っていると同級生が、写真3のような感じで階段越しに会話していました(笑)。(写真3)

番組では階段上部は行き止まりというか突き当りと言っていましたが、安藤忠雄さんの階段論とはまた違った意味でこういう使い方もできるんだなあ(笑)と写真見直しながら思ったので、あえて載せておくことにしました。

ちなみに写真3の階段上(左側)に立って写っているのは、このブログにも登場してもらったこともある若き日の関川君です。(^^)

ということで、せっかく安藤さんの言葉も抜粋しているので、詩的に書くのもありかなとは思いつつも、結局いつもの感じになってしまいましたが、番組では貴重な階段論も聞けたし、これは残しておくべきだと思い、当時の写真もまじえながら書いてみました。

地図
香川県香川郡直島町