ばくろ坂というそうです。
場所は、目黒駅の西側、山手通りをこえたあたりにあり、前にとりあげた新茶屋坂 (NO.264)の坂下からもほど近い場所にあります。

馬喰坂(NO.267)1
写真1

まずは、坂下の様子など。(写真1)
すぐそばには山手通りが走っており、騒々しいですが、この坂道はそこから一歩奥に入った場所にあり、このあたりから一気に静かな住宅街になっていました。

ちなみに、このすぐそばに馬喰坂の坂名の由来が書かれた案内板がありましたので、そのまま抜粋するとですね、
『逆Sの字にカーブを描く目の前の坂が馬喰坂。その昔、坂はとても急で、切り通しの工事を行った。しかし、頂上部は、庚申道が交差して、思い切った工事ができず、風雨にさらされると、大小の穴で路面が凹凸していた。道路に穴があいた状態を昔の方言で「ばくろ」といい、それが坂の名になったという。馬喰の字は当て字らしい。』
とありました。

「逆Sの字にカーブ」と始めにありますが、もうこのあたりからその雰囲気は出ているかもですね。
「急坂」とありますが、それはのちほどということで。

馬喰坂(NO.267)2
写真2

しばらく坂をのぼり、坂上方向を見てみたものです。(写真2)
坂上のほうが見えないくらいのカーブ具合、いいですねえ。

馬喰坂(NO.267)3
写真3

こちらはすこし坂をのぼり、さっきのカーブを曲がりきったあたりからの景色です。(写真3)
たしかに逆S字にカーブしてますね。
勾配具合といいカーブ具合といい、なかなか良い感じの景色でしたかね。

馬喰坂(NO.267)4
写真4

さらに坂を上り、今度は坂下方向を見てみたものです。(写真4)
こっちからみるとS字カーブですね。。
しかも勾配具合もわかりづらいです。(というか写真の問題なんですけどね。)
山手通りからの車がそれなりに走ってくる坂道でしたが、基本的には静かな場所でしたよ。
(しかも、この右側のマンションは人がいなくて廃墟みたいになっていました。というかその建物に入る道(写真でいえばオレンジ色の柵があるところです)が坂道になっていて、今回、ブログには載せませんけど、かなり気になる坂道景色だったかも。ただし、今はどうかわかりませんけど。)

馬喰坂(NO.267)5
写真5

写真4とだいたい同じ位置より、今度は坂上方向を見てみました。(写真5)
このあたりから勾配具合が急になってきていました。
あいかわらず坂上の様子が見えないのもいいですね。

馬喰坂(NO.267)6
写真6

すこし坂をのぼり、坂下方向を見たものです。(写真6)
やはり勾配具合がわかりにくいですね。
でも遠くのマンションの見え具合からも、その高低差感がわかるので、気になる方はよく見てみてくださいな。

馬喰坂(NO.267)7
写真7

そんなこんなで、やっと坂上あたりまでやっていました。(写真7)
もうこのあたりまでくると、坂下あたりとはかなりの高低差になっていることもあり、遠景の景色も良い感じで見えていましたよ。
気になったのは、真ん中左に見えている煙突でしたかね。
これは、新茶屋坂(NO.264)でも、登場した目黒清掃工場の煙突のようでした。
ここからみるとやたらと高く見えていますが、それだけこのあたりのほうが、清掃工場のあるあたりより低い位置にあることがわかるわけですよね。
個人的には、この景色を見ていて、目の前は急な下り坂なのに、遠くにはここより高い場所があるという凹凸具合が目でみて感じれる場所というのが、面白いなあと思ったのでした。

ちなみに、写真7でも見えていますが、ここにもいつものように坂の碑がありましたので、抜粋しておくとですね、
『馬の鑑定や売買を行う馬喰(博労・伯楽)と関連させる説と、風雨にさらされて地面に穴のあいた状態を目黒の古い方言で「ばくろ」と言ったという説がある。』
とありました。

坂下の説明に加えて、「馬の鑑定や売買を行う馬喰(博労・伯楽)と関連させる説」まで、でてきましたねえ。
しかも、常に道路に穴があいた状態だったからこそ、この坂名がついたということであれば、そういう意味では、この道は昔からけっこうな人通り(馬通り?)があったと見ていいのか、それとも穴ぼこができるくらいまで人の手入れが行き届いてなかったこともあり、実はそれほど人通りがなかったのか、まあこれだけでもいろいろと想像してしまいましたかね。

あとは、道路に穴があいた状態を目黒の古い方言で「ばくろ」ということから、いつものドーナツ型の滑り止めも「馬喰」型と呼んでみてはどうなんだろうと妄想してしまいましたが、どうでしょうかね。(笑)

馬喰坂(NO.267)8
写真8

あ、そうそう。(写真8)
写真7でちょっと見にくかったので、拡大してみたのですが、実は坂上からの景色として、東京タワーも見えていたのですよ。
なので、この坂道、実は東京タワーが正面に見える坂道でもあったんですよ。

馬喰坂(NO.267)9
写真9

あとは、坂上そばには〔写真9の右側)、坂下の案内版の説明でもでてきた、庚申塔もありましたよ。(写真9)
案内版には、「馬喰坂上の庚申塔群」とありました。
なお、庚申塔については、これまでもたびたび登場していることもありますので、そのうち機会があれば、詳しく掘り下げてみたいと思ってはいますが、現段階では、wikipediaの説明をリンクしておくに留めておきますので、気になる方はそちらのほうを読んでおいてくださいな。→ https://ja.wikipedia.org/wiki/庚申塔

ということで、今回はこんな感じです。

地図
目黒区中目黒4-9あたり