東京には、いろいろな名称の坂があります。
しかし、その名称は、そのほとんどが違う名称のように僕自身も思っていたのですが、意外に「江戸東京坂道辞典」によれば、同じ名前の坂がたくさんあることがわかります。


坂のリスト

坂の数   坂名
(18): 富士見坂(ほかに新富士見坂、富士坂が各1) 
(17): 新坂(ほかに新道坂)
(14): 暗黒坂 →暗闇坂(ほかにくらがり坂)
(13): 幽霊坂
(12): 稲荷坂
(10): 地蔵坂
(8): 芥坂(五味坂を含む)、清水坂、中坂
(7): 八幡坂、薬罐坂
(6): 相生坂、不動坂、三年坂
(4): 大坂、禿坂、胸突坂、雁坂、乞坂、
(3): 貝坂・紀伊国坂・行人坂・御殿坂・七面坂・
     信濃坂・蜀江坂・団子坂・天神坂・道玄坂
(2): 旭坂・油坂・網干坂・荒木坂・淡路坂・安藤坂・
安珍坂・飯田坂・芋洗坂(一口坂を含む)・
牛坂・牛鳴坂・鷲坂・江戸見坂・円通寺坂・
隠岐殿坂・霞坂・久野坂・車坂・笄坂・甲賀坂・
光感寺坂・桜坂・砂利場坂・新道坂・浅間坂・
仙台坂・善光寺坂・袖摺坂・大坊坂・鼓坂・
豊島坂・鶯坂(飛坂を含む)・堂坂(動坂を含む)・
なだれ坂・東坂・比丘尼坂・蛇坂・茗荷坂・
明神坂・宮村坂・薬研坂・大和坂・行合坂・梨木坂・
若宮坂・辺坂

以上のようにけっこうたくさんありました。


名前がつけられている坂の総数まではわかりませんでしたが、これ以外の坂は都内に限ってですがひとつしかないということになります。

また、これらの坂で、富士見坂、潮見坂、江戸見坂は、展望坂の3部作とよばれ、「江戸百景」においてもかかすことのできない坂で、坂からの眺めは昔は特によかったようです。
このように、坂は東京の街の歴史、生態と深くかかわっており、また大きな影響をあたえてきました。

山の手と下町とかもよくきくとおもいますが、もともとは坂道の坂上と坂下での地域社会の文化の違いを坂道を上がるか下るかによって分けられたとも言われています。